2016-10-07レガレリア流モノ作り現場巡り

木材加工業が展開するファッションアイテム

石川県でトップクラスの木加工技術をもつ企業

先日、モノ作りの取材と勉強のため石川県に行ってきました。
石川県は、豊富な木材を求めて能登半島を中心に木材加工が盛んになったエリアでもあります。
今回は、能登半島に木材加工工場を持ち様々なモノ作りをされている株式会社谷口さんに伺いました。
谷口さんでは、木材の買付けから加工、製造、販売まで一貫して対応しているのが特徴です。
もちろん木材からの買付けをするということは、木の状態の目利きが重要で、その後使える状態にするまで乾燥させたりと管理も大変になってきます。
皆さんは、木材を乾燥させるのにどのくらい時間が掛かるか知っていますか?
谷口さんでは、5年間乾燥させてからやっと使える状態にするそうです。この様なしっかりした品質管理があってこそ上質なモノ作りが出来るんですね!

全国シェア6割のモノ作り

谷口さんは、碁石の入れ物の「碁笥(ごけ)」の全国シェア6割を占めていたとのことです。
凄くないですか!?どんなモノ作りをしていても全国でここまでのシェアを作り上げた実績はとてつもない努力と技術があったからだということが分かります。
今では、囲碁も昔ほどやられる方が多くなく、インターネットの普及でパソコン上でも出来てしまう時代になってしまい、作る数が減ってしまっているそうです。
碁笥以外にも家具もメインに作っていたそうですが、最近では大型の家具を求める人も減り需要がなくなってきている問題がありました。
そんな株式会社谷口さんでは、長年培った木加工技術が生んだ新しいモノ作りが注目されているんです。

0.14mmの薄い木材

木材の表面を綺麗にするためにカンナで表面をならす加工があります。
その技術を応用して木材を0.14mmととても薄くカットする加工を可能にしたのが株式会社谷口さんでした。
最初は、照明器具のシェードを木で作って欲しいという依頼からスタートしたそうですが、現在の仕様になるまで約10年間開発に掛かったそうです。そのくらい時間を掛けて開発したからこそ、どこも真似できないオリジナル素材が出来上がるんですね。
では、薄くカット出来ると何が出来るのか?どんなメリットがあるのか?ってことになります。
無垢の木材は、水に濡れるとシミになったり汚れてしまうのが普通ですが、0.14mmと薄くカットすることで水が入り込み隙間がなくなり水に強い素材になったそうです。表面加工せずに水に強くなることで、木の香りはそのままで、様々な素材と組み合わせてモノ作りが出来る様になったそうです。
これは偶然生まれた特製みたいですが、それもまた面白いストーリーですね。

木材加工業が展開するファッションアイテム

この素材をつかって何をつくっているのか?
その答えは、財布やカバンなどのファッションアイテムなんです。
木材加工企業がファッションアイテム?って思いますよね。木の木目ってとても面白い表情があり、人口では表現出来ない部分もあります。
要は、木を使うだけで十分デザインされたアイテムになるんです。
薄くカットした木材は、革や生地と組み合わせることが出来る様になり、ミシンで縫うことも出来るそうです。
貼ったり、縫ったり、編んだりすることで今までに無かったユニークで面白い商品が出来上がったのが、株式会社谷口が展開するブランド「BOIS」。
様々な実験や検証を行い新しい価値を生み出す株式会社谷口の谷口社長のお話はとても面白く勉強になりました。皆さんも、「BOIS」商品を見かけたら是非チェックしてみてください!

こんなにも良いモノ作りをしている企業がある傍ら、株式会社谷口さんの工場がある能登半島は現在過疎化が進んでしまっているそうです。
パートを雇うことも出来ない程、この問題は深刻化しているとの話も聞きました。
モノ作りの技術を学びたいけど、生活を考えると厳しいとのことで働きに来てもらえないこともあったそうです。
この現状の中で生まれた素晴らしいブランドを後世に残していくのも現代を生きる私たちの役目でもありますよね!
産地だけでなく消費者自身も日本のモノ作りを残していくにはどうしたら良いか一緒に考えていけるととても嬉しいです。
これからもレガレリアは、良いモノ良いモノ作りを発信していきたいと思います。

木と革のバッグのブランド「BOIS」

世界にひとつ、自分だけのバッグ
木と革のバッグのブランド『BOIS』
薄くスライスした木と革(本革)を組み合わせた世界初のバッグシリーズです。
新技術を用いて、従来の「木」の製品では考えられない画期的な商品を展開しています。

INFORMATION

  • 住所:〒920-0027 石川県金沢市駅西新町2-19-17
  • TEL:076-223-5451
  • web:http://www.keyaki-taniguchi.co.jp/

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